同音意義語

寒い寒い冬の終わり。
つもり積もった雪がベチョベチョに溶け出した頃の話です。
ブルガリア人の友人と歩いていて、屋外プールの前を通りがかりました。
もちろん冬季休業中。
スケート場にでもすればいいのにーと思いつつ、そういえばスケートってブルガリア語で何て言うんだろう?
聞くと、кънкиだそうです。
読みは、カンキ。
日本語みたいな響きだねと言われたのですかさず、カンキは日本語で「乾期」だよ!と。
じゃあ、こっちの意味と間逆だね、と言われました。ブルガリアの冬は湿度がとても高いのです。
しばらく歩いていると、その友人が今日はキシャがスゴいって。キシャって何?と聞くと、道がぬかるんでグチャグチャな状態だよ、だそうです。
へー、キシャも日本語にあるよ、と言うと興味津々な様子。
汽車のことだよ、っていうと、今度は全然関係ないねって。
ま、キシャにはもっといろんな意味があるんですけどね。
記者が汽車で貴社に帰社する。なんて。
ややこしいですね、日本語。
ちなみに、面接とかで、御社っていうのは、貴社だとややこしいからって言いますしね。

さて、日本人に馴染みがない、言語グループというものがあります。
例えば、ラテン語から発展したスペイン語とかイタリア語とかフランス語とかは、同じ言語グループで、文法や単語が似通っていたりします。らしいです。
世界中のほとんどの言語は何らかの言語グループに属しているのですが、ちなみに日本語は、どのグループにも属していません。仲間はずれ?
同じ言語グループ内だと、学ぶのも楽みたいですが、中には落とし穴も!
同じ起源の言語がそれぞれの文化で別々に発展しているので、同じ言葉が全く違う意味になっていたりします。

例えば、ブルガリア語で、ウージャス!というのは、何か酷いことがあるときに、「もう、最悪!」みたいな意味で使われるのですが、ちょっと遠い、でも同じ言語グループのチェコ語では、「素敵!」という意味になるそうです。
間逆です。
だから、あるときに翌日会う約束をして、じゃあ、明日は一緒だねと言ったあとに、チェコ人の友人にウージャスと言われたりして。ごめんね、私なんかと一緒で、最悪だよねと返すと、違う、楽しみなの、って。
どうやら、元々は、驚かされるみたいな意味が、それぞれの文化で間逆の驚きの意味になったみたいです。
ややこしい。

知っていそうで、よく知らない外国語に接するときは、誤解に注意です!