ダダダ

ブルガリア語を勉強して早6年になりますが、
最近ふと、当初とても不思議というか、面白かったブルガリア語の言葉を思い出しました。

ブルガリア語で「ダ」は肯定の「はい」です。
ちなみに否定は「ネ」。
がしかし、この「ダ」を使うのは、肯定のときだけではありません。
実は、不定詞としても使われます。
……
大人の皆さん、不定詞ってなんだったか覚えてますか?
英語だと、I want to eat.の”to”です。
この不定詞のおかげで文章に動詞をもう一つ入れることが可能になります。
(たぶん専門的に説明すればもっとややこしくなるんだけど、私には無理です。)
……
なので、不定詞として使われるときに「ダ」の直後には動詞がきます。
ただ、英語と違うのは、不定詞の次に置かれる動詞が決まった形ではないというところです。
(英語では、不定詞の直後には動詞の原形が置かれます)

さて、ブルガリア語には主語によって変わってくる動詞の活用形があります。
スペイン語みたいな感じです。
ところで、「与える」という意味のブルガリア語は「ダム」と言います。
ちなみに「ダム」は一人称単数のときの形(つまり主語が「私」のとき)
この動詞はこのように変化します。
私が:дам(ダム)
あなたが:дадеш(ダデシュ)
彼、彼女が:даде(ダデ)
私たちが:дадем(ダデム)
あなたたちが:дадете(ダデテ)
彼らが:дадат(ダダット)

つまり何が言いたいかというと、
不定詞「ダ」に、
彼らが与えるという動詞を付けると、
「ダダダット」となるんです。

「面白いけど、言いづらい!」と笑い、人々はこんなものを発音しているのかと驚いたものですが、
気づけば読んでいる文章にふいにでてきても普通にスルーしている自分がいたりして。
というか、普通に会話の中で使ってるし。
慣れってすごいなと思いつつ、当初の新鮮な驚きも思い出しながら、言語の勉強はまだまだ続きます。