名前の話

名前の話をします。

日本人の私からすると、外国の名前って覚えにくいとよく思っていました。
こちらでは、名前は定番の中から選ぶような感じで、おじいちゃんおばあちゃんの名前をとったとか、よく聞きます。なので、一通り覚えれば、どうにかなるかなと言う感じです。
日本の名前にはみんな意味があるということは割りと有名で、名前の意味をよく聞かれます。日本にいると、漢字を見れば一目瞭然なのに、と思いつつ、漢字文化の説明も皆さん興味津々です。

そんな名前異文化で、時々される困った質問はこちら。
君の短い名前は何?

この国の人名には、基本の短いバージョンがあります。
たとえば、ゲオルギ(英語で言うところのGeorge)は、ゴショーとかジョーロ。ディミトルは、ミトゥコとか。
なぜそうなる?という風に短くなっていることもしばしばです。
親しい間柄とかだと短いバージョンで基本的に呼び合っています。(親しくなくても、初対面とかで短いバージョンの名前で紹介されたりするけど。むしろ正式な名前を知らない人もいたりするけど)
その勢いで、「君の名前の短いバージョンは何?」と聞かれるのですが、「特にないよ」というと、「ないわけがないだろう」と突っ込まれます。「あだ名とか、名前をただ短く呼ぶこともあるよ」と説明するのですが、「そうじゃなくて、君の名前の短いバージョンは何になるんだ」と。埒が明かない…
「じゃあ、親や兄弟からはなんと呼ばれるんだ」と言われるので、「いろいろ」と答えると、「なんで」となります。なんでと言われても…
「じゃあ、小さい子供たちのことはどういう風に呼ぶんだ」と聞かれて、「女の子には『ちゃん』、男の子には『君』を付けるよ」というと、「なんで長くなるんだ?」と頭を抱えられます。なんでと言われても…

話は逸れますが、日本語の真似をヨーロッパの人がすると、結構な確率で、アチョーワチョーみたいなことを言います。
仕草とか、それ絶対にジャッキーチェンだよねと思うのですが。
なんか、アジアならなんでもいいみたい。…そういうわけでもないか…

さて、そんなヨーロッパの片隅で、『~ちゃん』とか『~君』の説明をして、すでに何度か言われたことがあるのが、
「ああ、だからジャッキーチェンなんだ!」
……
うん、もう、なんかいろいろ、どこから突っ込んでいいか分からない。
いえ、ちゃんと訂正しますけどね。
彼は日本人じゃなくて、日本の名前じゃないとか、ちゃんは女の子につけるとか、そもそもチャンとチェンで違うじゃんとか。

ちなみに、わたしの名前の呼び方は基本的に、普通に呼び捨てで収まることがほとんどです。
「日本では、相当親しくならないと敬称なしで呼ばないんだから!」なんて、適当にごまかしてます。